根管治療とは

根管治療とは、歯の根の中を通る神経を取り除き、細かい根の中をヤスリ状の器具等で掃除していく治療です。 常に見えている歯冠部を家の外装だとすると、根の治療は家の基礎にあたる柱になるのですごく重要です。

根管治療の重要性
根管治療が適切に行われないと、ズキズキする腫れる冷たいもの・熱いもので痛い、噛むと痛みがある等の症状がでてしまい、 放置した結果、骨が溶けて抜歯になってしまうという結果もよく見受けられます。

チタン製の切削器具を導入

当院では根の中をスムーズに清掃する為にチタン製の切削器具を導入しています。

従来の手指による根の清掃
ステンレス製の切削器具を使い、手指のみで根の中を清掃します。例えるなら木の板にネジを埋め込む時に手でドライバーを回す様なもので、とても時間がかかります。

柔軟なチタンファイルをエンジンで使用する治療
エンジンを用いているので切削がスムーズに行え、時間が大幅に短縮されます。また、チタン製の柔軟な切削器具(ファイル)なので曲がった形態の根っこなどにもアプローチしやすいのが特徴です。

従来の手指のみで行う治療は、根を大きく削ったり元々の根の形を再現できない等、どうしてもデメリットが多いため、当院で根の治療をする際にはチタン製の切削器具を使わせていただいております。しかし、保険の範囲で費用をカバーできていないのが現状です。

時間的な負担、保険でできる仕上がりを少しでも良くしたいとの思いから、材料代だけは負担していただきます。ご理解の程宜しくお願いします。尚、希望されない方におきましては当院での根幹治療はお断りさせていただくか、応急処置のみ(生活歯髄切断)になりますのでご了承ください。

マイクロスコープでできること

当院では根管治療を行う際はマイクロスコープを使用し、治療の精度を高めています。

肉眼で見た場合と、マイクロスコープで見た場合の違いは単純にいうと、ただよく見えるだけです。 極端な例えになりますが、部屋を掃除する時に眼を閉じてやるのが肉眼だとするとマイクロスコープを使用した治療は自分の眼でしっかり確認しながら出来るという点で、精度がかなりアップします。 マイクロスコープがあればよいということではありません。 どう、しっかりと使用するかが重要だと思います。

保険と自費の根管治療の違い

マイクロスコープで良く見える結果として、根の汚れを極力減らすことができるので、肉眼では保存が不可能だった歯が残せる可能性が高くなります。しかし、よく見える分時間が通常より必要になったり、汚れを取るための特殊な器具(高価)が必要になり保険診療の費用ではまかなえないのが現状です。

(保険)肉眼 (自費)マイクロスコープ
拡大率 1倍 3~25倍
根の中の見やすさ
勘だけに頼り、手探りで治療

根の管の奥まで見える
根管のヒビ 見えない 見える
歯を削る量 削る必要のない所まで削ることもある むし歯に侵された所のみ削ることができる
詰め物やかぶせ物の治療 セットした歯の境目に見えない隙間ができることがあり、その細かい隙間から菌が入り込み再発する場合がある より精密な治療を行うことができるので、仕上がりが正確でセットした歯の境目に隙間がないか確認できる
根の奥まで光が届かない 根の奥まで光が届く
再治療の確率 高い(成功率:45%) 低い(成功率:90%)

根管治療の流れ

当院はラバーダムを使用しています

当院では、治療中に唾液や汚れが患部に入らないように保護するためのラバーダムを使用し、細菌をシャットアウトして、清潔で安全な治療を行います。


唾液、歯垢、血液等から隔離をすることができ、感染予防に配慮した治療ができます。

 

ラバーダムが清潔な状態を作り、歯を守ります。

ラバーダム防湿のメリット ラバーダム防湿のメリット

・治療中、歯を細菌から感染することを防ぎます。
・治療中、器具や削片、薬品、洗浄液などの誤飲を防ぎます。
・治療中、器具などで粘膜、舌などを傷つけてしまうことを防ぎます。
・治療する歯を見やすくし、治療の精度を上げます。
・乾燥した環境が保てるため、よりよい治療が可能になります。

根管治療の症例(動画)

治療動画1

治療動画2

治療動画3

根管治療のよくある質問

マイクロスコープで治療すれば必ず治るのですか?

100%ではありません。 歯の状態、その先生のスキルによっても大きく変わると思います。なるべく悪すぎない状態、初回の治療を精密にすることで100%に近づく事はできます。

根管治療をしてどれ位もちますか?

根管治療をする事で痛みや違和感等が消えるというメリットがありますが、再治療するごとに歯が薄くなり割れるデメリットもあるので、どれくらいもつかは別物です。 最初の治療でしっかりと治し、再治療を防ぐ事が歯を長くもたす秘訣だと思います。